名古屋駅前の顔として親しまれてきた「近鉄パッセ」が、2026年2月末で閉店することが正式に発表されました。近鉄百貨店は5月26日、店舗の閉鎖とあわせて名古屋からの百貨店事業撤退を明らかにしました。
近鉄や名鉄をよく利用される方にとっては、便利な立地にあってお買い物を楽しめる近鉄パッセがなくなることはショックかもしれません。
1966年の開業以来、近鉄名古屋線の玄関口として長年にわたり若者を中心に支持されてきた近鉄パッセ。トレンドファッションやコスメを取り揃え、学生や通勤客にも身近な「名駅の百貨店」として存在感を放ってきました。
しかし近年、名古屋駅周辺では大規模な再開発プロジェクトが進行中。近鉄百貨店はビルの解体工事にあわせて閉店することに。再オープンの予定はなく、近鉄百貨店としては名古屋エリアから完全撤退となります。
「近鉄パッセ」といえば地下にある御座候や成城石井、8階にある星野書店。
来年2月以降はこれらのお店がなくなってしまうということなのでさみしいですね。
約20億円の特別損失を計上 補償金契約も予定
今回の閉店に伴い、近鉄百貨店は2025年3〜5月期決算で約20億円の特別損失を計上すると発表。近鉄グループ内の近鉄不動産が所有する建物を賃借して営業していた関係で、今後、閉店に伴う補償金の授受契約を2025年7月ごろに締結予定としています。
なお、2026年2月期の業績予想については、補償金の影響を考慮したうえでも現時点では変更しない方針としています。
名駅の再開発が加速 名古屋駅界隈の風景に変化も
閉店する名古屋店の2025年2月期の売上高は約19億円。2月末の時点で23人が勤務しており、閉店後は雇用を継続した上で他店舗への異動を予定。
近年、名古屋駅周辺では再開発が進んでおり、商業施設の競争が激化。ジェイアール名古屋タカシマヤや大名古屋ビルヂングといった競合の進化も、若者需要の取り込みに影響を与えたのかもしれません。
約60年の歴史を持つ近鉄パッセの閉店は、名駅界隈の風景と勢力図が変わる転機となりそうです。